アルフォンス・アレー「悪戯の愉しみ」福武文庫

アレーは19世紀末のフランスで活躍した
小ロマン派の作家である。

かれの交友関係には
画家のロートレックや、作曲家のエリック・サティなどがいる。
アンドレ・ブルトンは一般的なユーモアの範疇におさまらない
アレの作風を評して、
「エスプリのテロリズム」と呼んで、最大級の賛辞を送った。

この短編集はアレーの掌編47編を納める。
冒頭の「親切な恋人」は
寒い部屋に恋人を招いたオトコが、
寒がる恋人のために、自分の腹を皮膚だけを切り裂き、
そこに恋人の足をぬぷりと入れて、内臓で暖めてやる話である。
翌日、その傷口を丁寧に縫い合わせる恋人とオトコとは
いっそう強い絆で結ばれたのであった。

この暴力的なユーモアに耐えられますか?