
イタロ・カルヴィーノは、キューバ生まれ、
現代のイタリアを代表する作家である。
「不在の騎士」は、「われわれの祖先三部作」の
ひとつであり、他に「まっぷたつの子爵」、
「木のぼり男爵」がある。
カルヴィーノは、第二次世界大戦中に
レジスタンスに参加していたため、本作にも寓意を
見いだす人がいるが、そんなことにはおかまいなしに
奇想天外な物語を楽しむのが一番である。
主人公の騎士は、真っ白な鎧に身を包み、
同僚の女性騎士からも恋心を抱かれるほどであるが、
その鎧の中身は空洞である・・・。
騎士たちは、出撃に備えて下半身の鎧のみ脱いだ状態で
待機している、などの蘊蓄(真偽は不明だが)もあり、
待機中の女性騎士の姿を思い浮かべながら、
にやにやするのも一興かもしれない。






