レオ・レオーニ「平行植物」ちくま文庫

まるで植物学の学術書の味わいである。
本屋さんでちょっと立ち読みした人は
すぐに書棚に戻してしまうかも知れない。
しかし、あのレオーニが仕掛けた本である。
退屈なんかさせないのだ。

時空のあわいに棲み、
われらの知覚を退ける植物群、
それこそが「平行植物」なのだ。

植物学の歴史から掘り起こし、
架空の植物群の生態を暴き出す本書こそ、
現代のわれわれが忘れて久しい、
「遊び」の本質に迫るものなのだ!
ほら、きみの隣にも平行植物が・・・。